平成 4年第 1回定例会−03月13日-05号平成 4年第 1回定例会
平成四年三月十三日(金曜)
議 事 日 程 第五号
平成四年三月十三日(金曜)午前十時開議
第 一 質 問
午前十時二分 開議
○議長(嶋田幾雄君) ただいまより本日の会議を開きます。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) 日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。
本田光夫君。
〔四十番
本田光夫君 登壇 拍手〕
◆四十番(
本田光夫君) おはようございます。民社党の
本田光夫でございます。質問も三日、半ばに差しかかりまして、市長初め執行部の皆様、また
議員各位におかれましても多少お疲れも見えかけているかと思いますが、しばらくの間御清聴方をお願いいたしたいというふうに思います。順次質問通告に従いましてお尋ね、また提案を交えて進めさせていただきたいと思います。
最初は当初予算ということでございますが、御案内のように三月議会というのは予算議会ということで、私の前の
議員各位におかれましても当初予算に関します見通し等、御提案を交えた質問をなさっております。私においても角度を変えて、特に指数面をポイントに当てまして当初予算ということでお尋ねをいたしておきたいというふうに思っております。早速
財政指数から見た当初予算についてお尋ねをいたしたいと思います。
平成四年度の本市当初予算案は総額で三千三百四十九億二千六百万円で、昨年に比べ八・四%の伸びを占め、このうち
一般会計は一千六百八十億円で、伸び率一〇・九%であります。なお、
一般会計のうち九十八億は
東部清掃工場第二期工事に伴う予算で、これを差し引くと六・九%の伸びとなります。
一般会計ベースの伸び率は、御案内のように国においては一般歳出で四・五%、
地方財政計画が四・九%、熊本県は前年度の実質的な当初予算だった六月
補正予算に比べ実質六%台の伸びであり、飽託四町を含めた新熊本市
総合計画スタートに当たった
積極型予算編成がうかがえます。
一般会計予算案の
目的別集計を対前年比で見ますと、先ほど申し上げました
東部清掃工場第二期工事に伴う衛生費の四九・八%をトップに商工費三〇・九%、土木費一〇・八%と続き、
地域経済の活性化と魅力ある都市環境の整備に特に力が注がれていることがわかります。
それでは具体的に本市の財政の健康度、
健全財政面を、過去の
普通会計ベースによる決算指数をも参考にさせていただき、特に懸念される項目にスポットを当て分析かつ評価し、順次お尋ねをいたしたいというふうに思います。
最初に、
基準財政収入額を
基準財政需要額で割ったものの三カ年の平均値であります
財政力指数を過去五年間さかのぼりますと、昭和六十一年から昭和六十三年までの三カ年は〇・七七で推移し、
平成元年は〇・七六、
四町合併の平成二年が〇・七となっております。この
財政力指数は一を超えれば余裕のある財源を確保しているということになり、一以下は交付団体ということになります。本市は十年前の昭和五十七年に〇・七一となり、以下〇・七台を維持確保しております。平成二年度における主要各部市との比較を見ますと、九州では大分市の〇・九四、佐賀市の〇・七八の次であり、千葉市、静岡市、大阪の堺市に至っては一・〇一ないし一・一三となっております。御案内のように本市の財政の豊かさ、財政力が数値で見る限りどのくらいの位置にあるかがうなずけるかと思います。
そこでお尋ねいたしますが、指数で見る限り過去十年間
財政力指数は〇・七台にとどまっており、この間、税の自然増とは別に、
市税嘱託員制度を初めあらゆる努力をされたと思いますが、
財政力指数の上昇が見られません。
財政当局はこの
財政力指数の推移をどのように分析調査され、そのアップのためどのような対応策をとられてきたかを明確に示してください。また平成三年度の
財政力指数の見通しも示してください。
次に、翌年度への繰越率をはかる
実質収支比率を見ますと、昭和六十一年三・三%、六十二年三・七%、六十三年二・二%、
平成元年二・三%、平成二年二・四%と二%台に落ち込んで推移しております。この五年間は百周年記念事業、平成の大合併等の
大型プロジェクトへの投資が続いたときでもあります。この比率は大体三ないし五%程度が望ましいと言われております。ちなみに昭和五十四年は五・二%、五十五年は四・六%、五十六年が四・四%で四%台を維持しておりました。この比率が低いことは財政の余裕が余りないようにとられます。
実質収支比率の低下した背景と今後の同
比率アップ策、さらには平成三年度の見通しについてお示しください。
次に、
歳入予算に占める
市債発行額を見ますと、昭和六十一年の七十三億五百余万円が
平成元年には百四十六億八千余万円となり、
四町合併後の平成三年に百九十六億円を超え、本年の当初予算は二百三十八億円強となっており、対前年比二一・五%となっております。
四町合併推進事業、新熊本市
基本計画に沿った
大型プロジェクトの展開のための借金と推察されます。確かに低金利の時期に借金をして大型事業を促進されるのも理解できないわけではありません。しかし借金である地方債の伸びが年々増大してきますと、当然
地方債償還の
年次計画にも大きく響いてきます。地方債現在高を
普通会計ベースの決算で見ますと、昭和六十一年一千三十六億六千百余万円が平成二年度は四町の地方債を含めて一千五百二十六億八百余万円となり、平成三年度は一千六百億円台が予想されます。
地方債残高を人口で割りますと市民一人当たりの負債額が出ます。平成二年度の人口が六十一万五千人強であり、市民一人当たりの負債額は約二十四万八千円となり、これを平成四年度の
地方債残高を仮に一千七百億円とし、人口を約六十三万三千人と見込んだ場合の一人
当たり負債額は約二十六万八千円となり、年々増加の一途をたどります。これに利息を加えますとさらに市民一人当たりの負債額はふえてまいります。これを今後十年ないしは二十年の間に市民の税金や交付税などで返済せねばなりません。したがいまして、
地方債残高が大きければ大きいほどその分今後の
町づくりへの財源が食われてくることを懸念するものであります。
そこでお尋ねいたしますが、近年の
市債発行額の顕著な伸びの原因、年々増大する
地方債残高に対し今後どのような
財政見通しを立てられ、
地方債残高減に向け努力されるお考えですか。また
地方債償還の
年次計画をも含めた方策をお答えください。
次に、昨日の質問でも取り上げられました市債と同様懸念されるものに
開発公社借入金残高を見過ごすわけにはいきません。昭和六十二年度末が約二百二十七億、六十三年度末が約二百五十四億、
平成元年度末が約二百六十六億、そして平成二年度末が約二百七十三億円と年々増加の一途をたどっております。返済も年に元金、利子合わせて約三十一億から四十七億円近くにもなります。
開発公社借入金残高に対します当局の今後の
支払い計画を含めた同
借入金残高に対します対応策をお伺いいたします。
次に、歳入項目における
収入未済額の
ワーストスリーと言われます市税、
国民健康保険料、
市営住宅使用料の総額を振り返ってみますと、昭和六十三年と
平成元年が約七十二億円強であり、
四町合併後の平成二年度決算で約七十五億円近くあります。本市も年々増加する
収入未済額に対し、その徴収対策といたしまして関係職員を先頭に嘱託職員も動員し、休日返上、超勤などの努力をされていることは評価するものであります。飽託
四町合併と自然増による人口増加はあるにせよ、この七十五億円ほどの
収入未済額は牛深市の
年間予算額にも匹敵するものであります。平成二年度当初の市税約六百二十三億円に対し、同年度末の市税
収入未済額は約四十九億円で七・八%を占めております。
財政当局としては頭の痛いところでしょうが、平成三年度末の
収入未済額はどのくらい見込んでおられますでしょうか。
また、
徴収率低下に関係当局の御努力で多少歯どめがかかったものの
根本的解決には至っておりません。市税と
国民健康保険料の平成三年度の当初予算と
決算見込み額、さらには今後の
徴収率アップ策をお聞かせください。
〔
総務局長 野田晃之君 登壇〕
◎
総務局長(野田晃之君) 財政問題について五点のお尋ねにお答えを申し上げます。
まず第一点でございますが、財政力の増強、
財政力指数の問題でございます。
都市財政の歳入の大宗をなすものは税でございます。ただいまお話がございましたように
財政力指数の分子でございます
基準財政収入額の大部分も税でございます。したがいまして、本市がその財政力を高めていくためには税源の涵養というのが不可欠になるわけでございますが、これは一朝一夕にして実現可能なものではございませんで、基本的には地道な
町づくりを通じまして
地域経済を活性化していく、このこと以外に有効な手だてはないのではなかろうかと考えております。このような意味におきまして本市の場合、市長の政策姿勢といたしまして、例えば
社会資本の整備に重点的に財源を配分して
地域経済を活性化すると、このことによって中長期的に税源の涵養を図ろうとしているところでございます。財政といたしましてもこの方針に沿いまして、単独事業を含めました
普通建設事業の推進に特に力を注いでいるところでございます。
なお、平成三年度の
財政力指数につきましては、税のウエートが小さかった旧飽託郡四町との合併の影響がございまして、〇・七をわずかに下回る数値になろうと考えております。
次に第二点目でございますが、
実質収支比率についてのお尋ねでございます。
実質収支比率はただいまおっしゃいましたように
標準財政規模に対する
実質収支額の割合を示すものでございまして、一般論といたしましては三ないし五%程度が望ましいと言われております。これは
地方公共団体の場合、営利企業と違いまして黒字を出すということが目的ではございません。だからといって赤字になることはもちろんいかぬわけでございますが、
実質収支の黒字幅が小さ過ぎるのも問題というような意味で一つの理想の姿として言われている数字と考えております。しかしながらこれにつきましても、
地方公共団体の
財政規模でございますとか、その団体の置かれている状況、あるいは時点の問題等によりまして多少の変動は許されるものと考えているところでございます。本市の場合は、現在
地域経済活性化に向けて、あるいは新熊本の新たな発展に向けまして財源をできる限り有効に活用させていただこうと、こういう方針で財政の運用をいたしているということもございまして、ここ数年
実質収支比率が三%を若干下回っているというのが実情でございますので、御理解をお願い申し上げたいと存じます。
また、平成三年度の
実質収支比率の見込みでございますが、先般荒木議員にお答えいたしましたとおり、平成三年度につきましては
実質収支そのものがいまだ未確定でございます。
具体的実質収支比率が現段階で計数として出ませんので、御了承をお願いいたしたいと存じます。
第三点は地方債の問題でございます。
地方債現在高の伸びの要因ということと、その償還計画というお尋ねでございますが、伸びの要因につきましては、これも一昨日亀井議員のお尋ねにお答え申し上げましたように、一つには今現在本市将来発展のために
社会資本の整備に重点的に財源を投入していくと、そういう時期に当たっているということが一点でございますし、もう一点といたしまして、
内需拡大等過年度におきます国の
政策的起債措置の要因もあろうと考えているところでございます。その時点のお答えでも申し上げましたように、起債は、その充当対象でございます
社会資本の性格からいたしまして、後年度の市民の皆様にも御負担をお願いするという意味を持っているところでございますが、だからといってこれが過度に過ぎますと財政の健全性という視点からも問題であろうと私どもも認識いたしております。したがいまして、その償還なり新たな
起債措置等につきましては、
公債費比率等にも十分配慮いたしまして、今後減債基金の問題も含めまして慎重に財政の運用を行ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、第四点は
開発公社事業でございます。
開発公社事業につきましては、公共用地の先行取得という観点から、例えば公園、街路等後年度の
公共事業に要する用地につきましてその先行取得を行っているところでございます。近年、これにつきましても関連諸事業の具体化に伴いまして資金需要が増大いたしております。結果的に
借入金残高が増加いたしております。しかしながら、これも起債と同様、その過度の運用は後年度の負担増につながるというのは御指摘のとおりでございまして、今後御指摘の趣旨を踏まえ、できる限り慎重な運用に努めさせていただきたいと考えているところでございます。
次に、第五点の
収入未済額の中で市税を中心にお答えを申し上げたいと存じます。
市税は先ほども申し上げましたとおり歳入の大宗をなします貴重な財源でございまして、その徴収の公平を期しながら、これをできる限り有効に活用するため徴収率の向上に努めているところでございます。具体的には、昭和六十三年度から現年度の滞納を極力抑制し次年度に繰り越さないという意味で十五名の
納税指導員を導入いたしまして、職員とも一体となって徴収努力を重ねてまいっております。その結果、おかげをもちまして昭和六十三年度が九二・三%、
平成元年度が九二・五%、二年度は九二・七%と、徴収率は微増ではございますが年々向上いたしておりまして、平成三年度も現時点での見込みではさらに〇・三%程度これを上回ります九三%ぐらいになろうと見込ませていただいているところでございます。しかしながら、なお本年度の市税の
収入未済額は額にいたしまして五十一億円程度になろうと見込んでおります。一層の
徴収率向上対策が必要だと考えているところでございます。
なお、この市税に加えまして、ただいま申されました
国民健康保険料、
住宅使用料等を加えました
収入未済額は七十八億円程度になろうと見込んでおります。したがいまして市税の場合、新年度からは自主納税の推進の観点からの広報対策の充実と口座振替の一層の普及、
大口滞納者の
優先的整理など滞納整理の強化、さらに税務職員の税に関する一層の知識の向上と人的体制の強化等に努めまして、一層の
徴収率向上に取り組ませていただきたいと考えているところでございます。
なお、平成三年度の税の当初と
決算見込みでございますが、当初充当は六百八十八億円でお願いいたしたところでございますが、その後の情勢の変化によりまして現時点で
決算見込みといたしましては七百三十億円台を見込ませていただいております。
〔
市民局長 坂西奏一君 登壇〕
◎
市民局長(坂西奏一君) 平成三年度
国民健康保険料の当初予算と
決算見込み額についてのお尋ねでございます。お答えを申し上げます。
国民健康保険料の当初予算につきましては、対前年度
医療費伸び率を五%と見込みまして、それに見合う
保険料額百二十七億七千五百万円を計上いたしているところでございます。
決算見込みにおきましては、
保険料調停額いわゆる確保しなければならない保険料百三十四億九千六百万円に対しまして収納率九二%、収入額といたしまして百二十四億六百万円を見込んでおります。この差額十億九千万円が
収入未済額となっております。今日まで年々微増のアップはいたしておりますが、今後
収納率アップのため総力を結集して取り組んでまいりたいと、このように考えております。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) 景気低迷の中での
財政運営ということで大変難しい面もあろうかと思います。新
基本計画にのっとった
社会資本の投資等々
町づくりに対する予算というのは
メジロ押しでございます。しかしながら
財政指数というのを配慮に入れながらの運営をぜひ促進していただきたいというふうに思っております。
収入未済額は、当然財政が大きくなりますし、人口等もふえた関係もありますし、景気低迷に伴います倒産等のアップも含めて、やはり順次税で五十一億、国保で十億、家賃滞納を含めて七十八億ということでどんどん財調の百億に近まろうとしております。御当局におかれてはそれぞれ、先ほどありましたように税金の徴収員の方も十五名おふやしになって努力されております。ぜひとも一層なる
徴収率アップに向けた御努力をお願いいたしたいと思います。
もう一点、財政に関しましてお尋ねをいたしたいと思います。
当初予算の
一般会計についてでありますが、
一般会計としては先ほど申しましたように一千六百八十億円が各局からの要望を組み入れられ計上されております。これは
予算査定の最終段階であるというふうに伺っております。したがいまして実際は、各局からの予算の総額の計上は査定を上回っておるはずです。歳出の伸び、言いかえますれば
町づくりを推進する声は高まるばかりですが、それを補う財源にも限りがあることはよく理解するところであります。
財政当局に取りまとめてお答えをいただきたいと思いますが、当初予算の
一般会計で各局が
予算査定に当たり最初に提案される予算額と査定後に計上される予算額との差額、さらには
予算査定の
優先順位というのは何をもって判断されるかということで、わかる範囲で結構でございます、御提示いただきたいと思います。
〔
総務局長 野田晃之君 登壇〕
◎
総務局長(野田晃之君) 各局、各課からの概算要求と予算との差、あるいは
予算査定の
優先順位の考え方についてというお尋ねでございます。
各局、各課からは、それぞれの所管におきます事業推進の必要性、さらには市民の皆様の要請等に基づきまして、実際に編成いたしました予算よりかなり上回った要求があっておりますことはお見込みのとおりでございます。しかしながら、ただいまお触れになりましたように財源はおのずと限られております。さらに、例えば事業次第では
補助金等特定財源が当初
予算編成の段階では必ずしも確定していないというような状況もございますし、事業の緊急性や熟度がその時点で必ずしも十分でないと私どもが判断いたします事業も中にはあるわけでございます。こういうもろもろの状況を考えますと、基本的には財源が限られているということでございますが、各局、各課の要求のすべてを一挙に予算化するということは事実上不可能でございます。この意味で予算の査定行為を行わせていただいているわけでございますが、その中で基本的な項目といいますか、考え方として申し上げますと、まず事業の効果、必要性、それからその事業の政策的な
優先順位、こういうものを第一義に判断いたしますし、また要求額の
見積もり精度等につきましても査定をいたしているところでございます。
ただ、つけ加えて申し上げますならば、原局が要求いたしましてその時点での査定では予算化できなかった事業でございましても、その後のその事業の熟度や必要性によりましては財源事情が許します場合には
補正予算として対応いたしますし、その年度財政的に無理がある場合でも、次年度以降に計画的に措置していくと、そういう財政的な運用は考えておりますので、御理解をお願い申し上げたいと思います。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) ただいまの
総務局長の御答弁の中で、基本的な予算の裏づけといいますか、確定に当たります判断基準というのが政策の
優先順位、事業の効果、必要性、あるいは要求額の見積もりということで申されております。とりあえず要求というのは、
町づくりが次から次に
メジロ押しでございますから、当然ながら限りある財政ですから、その中で基本的な考えに基づいた予算配分というふうに理解するところです。これは一つの例ですが、例えば学校建設に伴います用地確保で最低の基準額がありますが、今平均七つぐらいですか、拡張の陳情やら要望が毎回出ております。そうしますといずれを見ましても──
優先順位と言われると分離独立ということでそちらが優先になります。しかしながらその必要性やら拡張の効果というのは、そこの学校でも確保したいという要望があって──そういう十年も据え置きになっているというのが一つの事実としてございますものですから、決められた財源ということでわかりはいたしますものの、ある程度、十年目とかそういうのを聞いたときに、一度その実態も調べていただきまして早く予算化していただければというふうな気がいたします。ぜひとも御努力方をお願いいたしたいと思います。
本日の質問の中で、とりわけ環境問題ということで二番目に掲げさせていただきますが、市長の提案理由の中でも環境問題を今回の主要事業の目玉ということで取り上げられております。私は昨年九月の議会でも特に環境のごみ問題についてるる提案を交えて質問をさせていただいていますが、今回はちょっとグローバルで大きくなりますけど、
地球環境という意味でお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。ぜひとも質問に沿いますようなお答えが返ってくることを期待いたしたいというふうに思います。
地方自治体の
地球環境対策ということでございます。
冷戦後の世界にあって、新たな
国際平和秩序の構築とともに、
地球環境問題は今世紀の最後になって人類が直面した深刻でしかも共通の最重要課題であります。
地球環境問題とは、二十世紀後半に入ってからの急激な人口の増加、それに伴う大量の資源消費と自然破壊などのことであり、残る八年間に我々が何をなすかによって二十一世紀における人類の運命が決まるといっても過言ではありません。
環境問題を人類共通の問題としてとらえ、
国際的取り組みが本格化してきたのは、一九七二年の
ストックホルムで開催された
国連環境会議からであります。そこでは、かけがえのない地球を守るための
人間環境宣言や、環境の評価管理などの具体的な
国際的措置に関する行動計画が採択されました。しかし、こうした合意にもかかわらず、その後の環境問題に対する認識においては、先進国と
開発途上国との間で主張に大きな隔たりが見られ、満足できる結果は得られておりません。
ストックホルムの会議から二十年後の今年六月、ブラジルにおいて環境と開発に関する
今世紀最大で最後の首脳会談とも言われます
地球サミット(環境と開発に関する国連会議)が開催されます。そして、そこで採択されるであろう地球憲章は、二十世紀における最大の
精神的支柱となることは確実であります。しかしながら、先進国が環境保護を途上国に求めているのに対し、途上国は、
外貨獲得源を確保するため自国の資源利用の自由を主張しており、会議が対立の場に終わる可能性も秘めております。
最近では自国の景気後退が足かせとなり、先進国でも
環境保全に足を引っ張るところが出てきております。先月末ニューヨークで開催された
地球温暖化防止のための
気候変動枠組み条約交渉会議において、米国は、争点となっている二酸化炭素(CO2)の排出目標と
発展途上国への資金援助のあり方で、自国内の景気後退を理由にCO2
排出目標設定に反対の立場をとっているのであります。
地球サミットの成功とそこにおける決定の完全実現のためには、何よりも自国のエゴを捨て参加国が地球を共同体としてとらえ合意と協調の精神で臨んでもらいたいと思います。
ところで、経済大国の我が国もようやく
地方自治体が取り組む快適な
環境づくりに関する各種施策に対する財源措置を抜本的に拡充するため、平成四年度から
地方財政計画中の
一般行政経費に
環境保全対策経費(仮称)約一千七百億円を創設しております。ちなみに平成三年度は環境問題を産業公害型に絞ったこともあり、
公害対策経費六百六十七億でありました。環境問題は従来の産業公害型に加え、
自動車交通、廃棄物、
生活雑排水等の都市型、生活型としてクローズアップされるとともに、
地球温暖化、オゾン層の破壊、身近な自然の減少といった新たな問題も生じてきております。このような中、
地方自治体でも独自の自然環境の保全対策、緑化対策、花いっぱい運動、ごみ減量化、リサイクル等の推進に取り組んでおり、国が地方団体の各種施策に、遅まきながらも財源措置を講じたことは歓迎したいと思います。
御案内のように、自民党の環境基本問題懇談会でも、先月二十八日その第二回会合で、現行の公害対策基本法にかわり
地球環境問題を視野に入れた
地球環境保全対策基本法(仮称)の制定を政府に働きかける方針を決めております。本市も本年四月より環境部を保健衛生局より分離独立させ
環境保全局として設立させたいとの意向であり、歓迎いたしたいと思います。昨今では
地球環境問題に関連するニュースがない日がなく、その重大性、緊急性は何人も承知いたしております。したがいまして、
地方自治体が
地球環境問題に取り組む意義については殊さら説明を要しないわけでありますが、一応その論理立てを簡単に述べてみたいと思います。
一、二十ないし三十年後には人類を含め地球上の生物にとって想像を絶する悲惨な事態が到来する可能性が高いこと。
二、科学的な因果関係が不明な部分も多いが、その安全な解明を待っていたのでは手おくれになる。
三、原因は人類と言われ、先進国にあってはその高い生活水準のため、
開発途上国にあってはその貧困のため各種の環境破壊がスピードアップしている。
四、国際的に共通の基本的理念である持続可能な開発の推進。
五、先進国の責務として、
開発途上国に対する人的、資金的、技術的な協力の必要性。
六、
地球環境問題を考えると必然的にライフスタイル、社会経済活動の見直しが求められ、地球規模で考え足元から行動することが要求される。
以上のような事柄が考えられますが、とりわけ六番目の項目が住民と直結している
地方自治体として
地球環境問題に取り組まなければならない原点であると思います。
一般的に
地球環境問題のテーマとして、一、オゾン層の破壊、二、地球の温暖化、三、酸性雨、四、海洋汚染、五、有害廃棄物の越境移動、六、熱帯林の減少、七、野生生物種の減少、八、砂漠化、九、
開発途上国の公害、十、人口問題、十一、資源枯渇などが挙げられます。時間の制約上、一のオゾン層の破壊、これに関連する六の熱帯林減少にスポットを当て環境問題を考察してみたいと思います。
気象庁は先月二十八日、日本付近の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、過去五年間にわたる連続観測の結果年〇・五%ずつ増加していることを発表しております。観測は同庁が一九八七年一月から岩手県の気象ロケット観測所で続けてきたもので、その結果は、夏に減少し冬にふえるという季節変動はあるものの、年平均値を見ますと、一九八七年三五一・〇ppm、八八年三五三・四ppm、八九年三五五・一ppm、九〇年三五六・七ppm、九一年三五八・二ppmと毎年〇・五%ほどずつふえていることが判明しました。世界気象機関では大気の汚染観測に力を入れていますが、極東地域での連続観測はこれまで欠落しており、今回のデータは、地球規模での温暖化解明に日本も役立ちそうであります。オゾン層を破壊したり、
地球温暖化の原因となる主なものに、CO2のほかフロン、メタン、亜酸化窒素、対流圏オゾンがありますが、ここでは割愛いたします。データが示しますように、確実に一歩一歩日本付近のオゾン層が破壊されていることがうなずけます。この地球上へのCO2を削減するのに大きく貢献しているのが森林による光合成作用であり、今年六月開催の
地球サミットの最大のテーマでもあります。
ちなみに全国で一日牛乳パック用に消費される木材は、直径十四センチ、長さ八メートルのパルプ材に換算して約五千六百本分、年間で約二百四万四千本分の木材を伐採していることになります。リサイクルが叫ばれるわけであります。ところで、林野庁は新年度より
地球温暖化の元凶となっている大気中のCO2を、熱帯林の活発な光合成で効率よく吸収し大気中から減らす環境造林技術の研究に乗り出す予定であります。米国の民間研究機関ワールドウォッチ研究所がまとめた「地球白書」によりますと、化石燃料や自動車の排ガスなどで出る世界のCO2純排出量は一九八八年で約七十三億トンと言われております。フランスの国土面積の二倍を上回る一億三千万ヘクタールの熱帯林を新たに植林すると、約九%に当たる六億六千万トンのCO2が三十年間毎年吸収される計算になり、森林のCO2削減効果は高いと示しております。林野庁はマレーシアなどの東南アジアの熱帯林で、CO2吸収も広葉樹、針葉樹よりも早いとされるユーカリ類の熱帯早成樹を五年かけて造林する計画であります。研究は、CO2を効率的に吸収する環境造林の技術確立を目指すことにあります。CO2の削減のための造林、
地球温暖化対策一つをとってみても各国共通の問題であり、国任せではなく今や
地方自治体でも取り組まなければならない時期が到来していると断言するものであります。
地球環境規模での前口上が長くなりましたが、ここで、本市の
基本計画で取り上げております水と緑の人間環境都市が実現に向かって着実に推進されることを期待しつつ、若干提案を交えてお尋ねをいたしたいと思います。
その第一点は、本市は現在を将来にわたって人間環境都市を内外にPRする好期としてとらえ、市民とともに自然環境を初めとして生活、文化、都市などの環境を地球規模で考え、足元から行動するための二十一世紀の指針として人間環境を基調とした都市宣言を大きく打ち出すべきだと思いますが、いかがなものでしょうか。
また、本市は市制百周年の十月、海外及び国内の友好都市の市長の参加を得て歴史都市サミットを開催され、そのときの申し合わせにより平成二年六月二日には水資源国際会議も開催され好評を得ております。そこで、人類、各国、各
地方自治体の共通の課題であります
地球環境問題について、本市が音頭をとり、内外の友好都市の協力を得て、環境サミットなるものを開催してはいかがなものでしょうか。以上二点に関しましては、新世紀へ向け市政のレベルアップを先頭になって推進されます田尻市長に御所見をお伺いいたします。
その第二点は、機構改革によりまして本年四月よりスタートします
環境保全局の役割、機能ないし位置づけ、さらには新年度当初予算で計上されております仮称環境総合研究所では、先ほど申し上げましたような大気汚染を初め、どの程度の
地球環境問題への研究調査を考えておられますか。
その第三点、本市は
環境保全の一翼を担うべき大気汚染や水質汚濁の状況を把握されております。大気汚染は市役所、東部保健センター、古町小学校の三カ所に測定局があり、二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質の環境基準達成状況のデータがとられておりますが、この中で過去三年間、環境基準を超えているものはどのくらいで、その原因と考えられるもの、また環境基準値に達するための対策があれば提示してください。また同期間に市内河川の水質汚濁、生物による水質判定調査の結果、基準値を超えたもの、あるいは黄信号のものがあれば報告してください。さらに大気汚染測定局は北部地区にも設置の必要性があろうかと思いますし、
地球温暖化を地方行政で幅広く把握するためにはもっと測定項目をふやしたらいかがなものでしょうか。
以上、簡潔なる御答弁をお願いいたします。
〔市長 田尻靖幹君 登壇〕
◎市長(田尻靖幹君) 本田議員にお答えをいたしたいと思います。
二十世紀ももうあとわずかで終わろうといたしておりまして、この二十世紀を顧みますときに、人類はすばらしいその英知によりまして、先端技術を初め科学技術文明は極めて飛躍をいたしました。また失うものも余りにも多かった。このような世紀であるというふうに私は考えるものでありまして、本田議員日ごろの御提案に対しまして私もまた全く同感であります。したがいまして我が日本社会におきましても、物の豊かさに翻弄されて人間はその大事な心を失う、そういう結果が招来していると、こういうところに今日地方行政の背負う一つの大きな使命があるというふうに私は判断いたしております。
そこで、去る昭和六十三年十月の熊本市議会におきましては
議員各位の全会一致の賛同をいただきまして熊本市環境基本条例、全国に先駆けましたすばらしい条例ができたわけでありまして、これは我が熊本市の歴史的な環境、生活的な環境、そして自然的な環境を末永く守っていく、こういうかたい決意を示したものでございまして、これをもとにいたしまして、いわゆる
四町合併後に新しい熊本を考える、いわゆる新熊本構想、その都市像の中に水と緑の人間環境都市を高く掲げて今
基本計画の策定、そして今回御提案を申し上げております新年度予算には環境重視、生活重視、こういう内容を持ちました予算案を御提案いたしているわけでありまして、環境問題はまさに最重点の政策として私どもは考えているわけであります。
同時にまた、この環境問題を強力に推進してまいるためにはどうしても従来の保健衛生局だけでは荷が重いと、このような判断に立ちまして環境問題を専門にいたします
環境保全局、この設置案につきまして御提案をいたしたわけでありまして、ただいまその案に対しましてもありがたい御同意を含めましたお話を承ったわけであります。そこで議員御提案の人間環境都市宣言、この問題につきましてはまことに時宜を得た御提案であると存ずる次第でありまして、今後
環境保全局がいよいよ出発いたします。そういう段階におきまして、議会におきまして全会派の議員の皆様に御相談を申し上げながら積極的に取り組ませていただきたいと、かように考える次第であります。
次に環境サミットの開催の件でございます。昨年十一月ドイツ・ハイデルベルク市より熊本市とぜひ環境問題を中心とした友好都市を結びたいと、このようなお申し出がございまして、本年一月には議会を代表されて各派の
議員各位お出かけいただきまして、本市といたしましても御厨助役がお供をいたしたわけでありまして、ハイデルベルク市におきましても熊本の環境問題を非常に重視していると、さらに経済、あるいはまた文化、教育、そういう交流をしていきたいと、このような御提案をいただいているわけでありまして、もし議会におきましてお許しをいただきますならば本年五月正式の調印をいたしたいと、かように考えているわけでありまして、このハイデルベルク、六百年の歴史を有するすばらしい都市でありますが、去る平成二年六月に水資源国際会議を熊本市におきまして開催いたしました。そのとき専門家を含めハイデルベルク市の市議会議員の方々が御参加をいただきまして、熊本が取り組んでおります水資源、そしてこの環境問題、こういうことにつきまして大変な御賛同をいただいたわけでございまして、これがもとになりまして今日全世界の平和と環境保護という問題を中心といたしましたいわゆる友好都市締結が今実現しようといたしているわけでございまして、これを機会にただいま本田議員御提案の環境サミットの問題につきましては十分研究をしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。今後とも地下水を中心といたしまして緑の保全、そして環境全般につきましても御指導を賜りたいと思うわけでございます。
なお、先ほど予算の問題につきまして、財政の問題につきましてお話を伺ったわけでありますが、昭和四十五年に我が国の高度経済成長が終えんをいたしまして、これを機会といたしまして地方財政におきましても生活を重視するか経済を重点とするか、こういう一つの大きな論点がございまして、私どもは生活を重視しながらこれからの地方自治を進めていかなければならないと、このような信念に立ちまして昭和五十年代を過ごしてまいったわけであります。そういたしまして昭和六十年代に入りまして、ここに、環境問題という都市問題そのものが環境であると、このような判断から今日全国の都市も挙げて環境問題に取り組んでいる。同時にまた文化の問題、豊かさあるいはまたその都市の個性を出していく、そういう中に立ちまして環境と文化の問題が昭和六十年代、そして今日平成の大課題となってきているわけでございまして、この問題につきましては市民の皆様の幅広い御意見をお伺いしながら
予算編成には臨んでまいりたいとかように考えております。
〔企画調整局長 出田四郎君 登壇〕
◎企画調整局長(出田四郎君) 本田議員にお答え申し上げます。
環境保全局の役割、機能、位置づけについてのお尋ねでございますが、ただいま市長からも御答弁がございましたように、本市は環境の保全問題につきましてはこれまでも積極的に取り組んできたところでございます。特に昨年三月には議会の御承認を得て新熊本構想を策定いたしたところでございますが、その中で水と緑の人間環境都市を目指すべき都市像の第一に掲げております。さらに本年一月に基本構想を具体化する
基本計画を策定したところでございますが、この中でも環境問題を市政の最重点課題と位置づけており、今回
環境保全局の新設を本議会にお願いいたしたところでございます。この
環境保全局は、本市の誇りであり市民共有の財産である地下水や緑の保全と創造を初め水質や大気汚染などの公害問題、さらには、
環境保全に係る各種調査研究など都市環境問題に専門的かつ総合的に対処し、環境各分野にわたる問題解決に積極的に対応するための推進体制と考えているところでございます。
議員御指摘の
地球環境問題につきましてもこの
環境保全局で積極的に取り組んでまいる所存でございます。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) 私の方から二点ほどお答えを申し上げます。
まず、環境総合研究所における
地球環境問題への取り組みでございます。環境総合研究所、まだ仮称でございますけれども、この件に関しましては現在その基本構想を策定しているところでございまして、本年度末までにはその作業が終了する予定でございます。その構想の中で、新設いたします研究所像といたしまして、国際レベルの総合研究所、地域特性を有する研究所、市民が求める研究所ということでその三本の柱をもとに検討をされているところでございます。ただいま御指摘がございましたように、
地球環境に関する課題は非常に広範囲な対象を含み、また広域的な課題でもございますが、一方でまた足元から取り組んでいく必要があると認識をいたしております。したがいまして、新研究所におきましては、オゾン層の破壊や
地球温暖化の原因物質と考えられておりますフロンガスや炭酸ガスの測定調査を行いますとともに、国内外の研究機関と密接に情報交換を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
なお、
地球環境問題への取り組みの一つといたしまして現在全国規模で実施されております酸性雨に関する調査につきましては、既に参加をしているところでございます。
次に大気汚染、水質汚濁の現状あるいは大気汚染局の新設の問題でございます。
まず大気汚染調査における環境基準の達成状況はどうかということでございます。
環境基準が定められております大気汚染物質五項目の中で、二酸化硫黄、浮遊粒子状物質、光化学オキシダントが環境基準を達成できておりません。その原因といたしまして二酸化硫黄、浮遊粒子状物質につきましては、自動車排ガス及び化石燃料の燃焼等による排煙の影響が考えられております。このほかにも自然現象でございます黄砂現象や阿蘇あるいは桜島等の火山の噴煙の影響も無視できない面があると考えております。
次に、光化学オキシダントについてはその発生メカニズムが複雑で完全に解明されておりませんが、炭化水素、窒素酸化物等がその発生の原因物質と言われておりまして、紫外線量、気温、湿度、日照時間等の気象条件も加わって増加すると考えられております。現在これらの物質で環境基準を超えた日はありますものの高濃度な発生は生じておりませんが、削減対策として極力その発生原因物質の低減化を図っていくことが必要と考えております。
次に水質汚濁の状況でございますが、カドミニウム等の八種類の有害物質につきましては市内河川十五の測定地点では不検出で、環境基準を達成しております。また水質汚濁の指標でございますBODの値については、白川水系、坪井川水系、井芹川水系、加勢川水系など十六地点中九地点で環境基準を超えております。
なお、生物指標による水質判定につきましては、化学分析を補完する面からも実施を検討いたしたいと考えております。
また、近年水質のBODの値が上昇傾向にあるところは、白川水系の吉原橋、加勢川水系の秋津橋、井芹川水系の山王橋でございますが、ほかの地点では横ばいないしは年々改善の傾向にあるようでございます。
最後に、北部地域に大気汚染測定局を設置したらどうかとの件でございますが、大気汚染測定監視体制につきましては、今般の合併によります行政区域の拡大を機に広域的視点に立った見直しが必要であると考えております。現在四方寄町には昭和五十三年度より県が設置されました自動車排ガス測定局がございますので、これらとの関連性を含め北部地域における測定局の適正配置につきましても今後十分検討してまいりたいと考えております。
なお、測定項目につきましては測定局の整備とあわせまして充実に努めてまいりたいと考えております。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) ただいま人間環境都市宣言ということで、さらには環境サミットの御提案ということで申し上げたところですが、田尻市長よりは大変積極的な姿勢をお伺いできまして、議会各派の御同意が得られれば、相談しながら都市宣言に向かわせていただきたいと。また環境サミットの方は、御案内のように内外──特に外国からお招きして会議をやるとなりますと時間を要します。ことしということでなくて、来年、再来年に向けての実現方に取り組みをいただければありがたいかというふうに思います。
また田尻市長よりは環境問題、特にお取り組みの姿勢が、私が期待した以上に、その
予算編成に当たる問題点を、特に環境を重視したということでるるその御決意をいただきまして、私も大変意を強くいたしまして心から感謝申し上げるところでございます。ありがとうございました。
環境保全局については今御案内の説明がありまして了といたします。一点はやはり大気汚染の場合、今後はいろんな絡みがございましょうが、さらに、言葉だけでなく、ノーカーデーというような声も耳にささやかれております。ぜひとも検討するに値するかと思います。さらには生物による水質判定検査の実施を検討いたしたいということで投げかけていらっしゃいまして、少し回答には残念な気がいたしまして、少し言わせていただきますと、五十七年の第二回定例会(六月議会)で熊本市の美しい自然ということで江津湖の汚染問題を取り上げたときに──実はこの問題は十年前に提言しているのですよ。そのときに、生物による水質判定を市内の二十六河川において調査をということで、当時二十六ということは限定なさいませんでしたけれども、二、三の河川においては水質によってやりますと、やる予定じゃなくてやりますとおっしゃいましたから、あえて今回出させていただきました。また十年ということがないようにぜひ実施に向けて取り組みをお願いいたしたいというふうに思っております。
環境問題、大変大事でございますので具体的な、本市が予算に計上しております取り組みについて提案を交えてお尋ねをいたしたいと思います。環境問題を地球規模で考え足元から行動するために、さらに次なる提案とお尋ねをいたしたいと思います。
最初に、前段で触れましたCO2の削減のため、造林そして熱帯木材を使ったコンクリート型枠用合板の使用、議会においても型枠については過去取り上げられておられますが、この使用削減が急務であることを訴えたいと思います。地球の森林面積の四四%が熱帯林であり、毎年十一万三千平方キロメートル(本州の約半分)の熱帯林が減少していると言われております。日本は熱帯広葉樹丸太の最大輸入国でございまして、約五割を占めております。そして輸入される熱帯林の約二割が型枠に使用されるとも言われております。そのため東京都は次のような方針を打ち出しております。一、反復利用、いわゆる普通のもので五回は利用できます。表面を加工した場合には十数回は使えるというふうに言われております。実情は大体二回から六回の使い捨てということであります。さらに二番目として針葉樹の合板、針葉樹を含んだ複合合板はどうですかということです。三番目は都発注の工事だけでなく民間へも協力を要請し、熱帯雨林の保護に乗り出しております。
そこで本市においても東京都を見習って類似の方針を打ち出してはいかがなものでしょうか。また、本市は地下水や緑の保全上から、地下水源涵養林や金峰山、立田山、託麻三山などの拠点緑地の強化に力を傾注されておりますが、今後の造林計画に当たって、気候、土壌等の関係はあるものの、CO2の削減効果の高い熱帯早成樹を計画されてはいかがなものでしょうか。
次に、再生紙の積極的利用とPRであります。昨年九月、我が民社党の勝木健司
参議院議員が国会で教科書の再生紙化を求めておりますが、文部省は環境庁より理解が薄くやる気のなさを示すばかりでありました。教科書は文部省、それでは副読本を初め本市の権限で作成できる小冊子、資料集等は年間何冊ぐらいが再生紙利用でありますか。今後とも再生紙利用はふやされる考えですか。また民間にも再生紙利用を訴えるべきではないかと思いますが、何らかの方策、方法を考えておられましたら御披露いただきたいと思います。
第三点に、全国の自治体の教育行政で取り組むのは珍しいと評価されております当初予算計上の牛乳パック再資源化モデル校設置費と資源回収団体助成についてであります。
御案内のように牛乳パック回収は既に一部の民間団体で実施されているところであり、昨年九月議会でも牛乳パックの業者による回収に行政の手だてを行ってはいかがなものですかと質問を投げかけたところであります。主管課にお伺いしますところ、牛乳パック再資源化の方は予算は約六十五万、モデル校は小中校合わせて約十校程度、環境教育の一環として実施されるとのことであります。
そこでお尋ねいたしますが、環境教育、再資源化がねらいでしょうが、森林、林業への理解をさらに深めるために環境教育のための副読本が必要になろうかと考えますが、いかがなものでしょうか。さらに、モデル校の選定基準、事業主体、牛乳パックの保管場所や売却益の使途、それに今後小中全校にふやされるものなのか、関心が寄せられるところであります。確定しているものだけでもお示しいただきたいと思います。
一方の資源回収団体助成は一千二百万円計上され、市に登録申請した団体が、再生資源を業者に売り渡したときの領収証ないし計量表によって、一キログラム当たり三円の助成金を出すことによって市民のリサイクル意識の高揚を図るのが目的であります。本市は月二回の資源ごみ回収で二カ所のリサイクルセンターに平成三年度一億五百六十七万余円が助成されておりましたが、市民が自主的に構成する各種団体へ助成が出るのは今回が初めてであり、ちなみにお隣の植木町では同様な助成が新年度よりスタートいたしますが、一キログラム四円の奨励金が支給されます。
そこでお尋ねいたしますが、再資源化可能な廃棄物とはどのようなものですか。助成金の支払い方法を具体的に教えてください。地域団体が対象のようでありますが、企業の参加はどのように考えておられますか、お伺いいたします。
いずれも環境問題を身近に感じていただくための施策であり歓迎すべきものだと思います。当局の明快で、しかも質問者の趣旨が十分伝わる答弁を期待するものであります。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) 私の方から四点ほどお答えを申し上げます。まず熱帯木材を使ったコンクリート型枠の使用の件でございます。
ただいま
地球環境問題についていろいろ御見解をいただいたところでございますけれども、歴史上に栄えました過去の文明が森を食いつぶして滅んでいったと言われております。現在各地で起こっておりますさまざまな環境問題を考えますときに、とりわけ大気保全は我々人類にとりまして極めて重要であり、そのためには二酸化炭素の削減効果が高いと言われております熱帯材の保護が急務であると認識をいたしております。そういう意味で、今議員から御紹介がございました東京都の型枠使用の問題等につきましては、熱帯林保護に大変役立つものと考えられますので、本市におきましても他市の状況等を調査をいたしまして関係局と協議しながら検討をしてまいりたいと考えております。
それから二点目でございますが、熱帯早成樹の造成についてでございます。
熱帯早成樹につきましては、急速な成長のために土壌中の成分や養分の摂取が非常に高いそうでございまして、そういう樹種が我が国の気候になじむものかどうか、また在来の樹種との共存問題、あるいは本市の特性でございます地下水の涵養面で効果があるのかどうか、そういう点から十分な検討が必要であろうと考えます。したがいまして、今後専門家の御意見等も参考にしながら研究をさせていただきたいと思います。
それから三点目に再生紙の利用促進についてでございます。
市役所におきましては平成二年度から全庁を挙げまして再生紙の利用に取り組んでおるところでございます。その中で、複写機のコピー用紙につきましては、平成二年度に使用しました再生紙の割合は約五五%になっておるようでございます。なお、副読本等につきましては、現在まで実態を把握しておりませんので、把握に努めてまいりたいと考えております。そういう中で、再生紙の需要がまだまだ完全に行き渡っているというふうには考えておりませんので、民間の企業の方々にも今後PRを進めていく必要があると考えております。したがいまして、清掃部におきまして近々事業者啓発用パンフレットを作成いたしまして配付することにいたしておるところでございます。
それから、集団回収の助成の問題でございます。当初予算に一千二百万の予算をお願いしているところでございまして、現在助成要綱等の検討を行っている段階でございますので、現時点の考え方について申し上げます。まず再生可能なものはどういう物質を考えておるかということでございまして、今のところ古紙それから生き瓶、アルミ缶、古着の四品目を予定いたしております。それ以外の鉄くず等の品目につきましては、現在月二回収集をしております資源ごみ再資源化推進事業で対応していきたいと考えております。
それから助成金の支払い方法でございますけれども、年二回半期ごとに実績に応じまして口座振り込みにより助成をしたいと考えております。それから助成団体等についてでございますが、一般的には地域の市民団体として子供会、自治会、婦人会、老人会等を予定しているわけでございますが、企業その他の団体等につきましても、この事業の趣旨に沿って幅広く助成ができますように対応してまいりたいと考えております。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) それでは私の方から、環境教育の副読本の件、モデル校、それからモデル校を今後全校へふやしていくかというような質問でございます。
まず環境教育のための副読本についてお答えを申し上げます。
教育委員会におきましては、環境問題が国境を越えてグローバルな意味で関心を集めております重要性からいたしまして、学校教育での環境教育への取り組みといたしましては、三年度に学識経験者や学校現場の教師などで構成いたしました環境教育推進委員会を設けておりまして、この委員会の中におきまして教師用の環境教育指導の手引を作成をいたしておるところでございます。また新年度では、小学校高学年、そして中学生用といたしまして環境教育の副読本を作成、配布することにいたしておりますし、児童・生徒が環境問題を自分たちの将来にわたる重要な問題であるというような意識を持つよう積極的に活用してまいる所存でございます。
次に、牛乳パックのモデル校の選定についてでございますが、新年度新たに指定いたします環境教育の実践校を中心にその指定を考えておるところでございます。学校の希望なども考慮いたしまして十校程度のモデル校を指定し、将来はその活動の輪を全校に広げてまいりたいと考えておるところでございます。
最後に、牛乳パックの保管場所と売却益の使途についてでございますが、保管場所は各学校の施設の状況によっても異なりますが、児童会室や空き部屋などを利用していきたいと考えておるところでございます。それから売却益の使途でございますが、学校とPTAで十分に協議をしていただきまして決定していただきたいと考えておるところでございます。また教育委員会としても適正なものとなるようあわせて指導してまいる所存でございます。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) 今後熱帯林の早成樹の植林いわゆる造林に当たっては、保健衛生局長から、今からでございますので専門家等の御意見もというようなお話がございまして、実は私、熊本営林局と森林総合造林研究所に伺ってみました。熊本の土壌といいますか、熊本というか日本の温暖多雨な状況で果たして熱帯早成樹が、環境庁は東南アジアで研究をやっておりますから当然育つところですけれども、熊本においてはいかがなものですかということで、研究所ですからかなり研究はと思いましたのですが、実は御案内のように天草の民有林で既に二、三十年前実験としてユーカリあるいはアカシア、特にアカシアが植林されているというお話もありました。ぜひそのあたりも実態を調べていただければと思います。ただ、樹木によっては台風、この前みたいな十九号が来たら大変でしょうけれども、台風やら、折れたり倒木のおそれがあるということですから、そのあたり一長一短があるようなお話もありましたが、主に広葉樹がCO2削減効果やら地下水涵養ということがありまして、また用材としての経済性もあるということで、お勧め品といいますか、そういうお話もありましたが、植える場所によっても違いますから、場所が決まっていれば詳しくお答えはできるということでございますので、ぜひ御相談に、お聞きいただければというふうに参考までに申し添えておきたいと思います。
また教育長の牛乳パックのお答えの中で、実は福島市の教育委員会がうちと同じように先行しているのですけれども、試行的に。小中学校の生徒たちを対象に一リットル入りのパックを三日に一回ということで回収しております。ちなみにパルプ材に換算したら年間に約一千五百本ということです。またモデル校は福島市の場合が約八校ということです。ですから二百本分のトイレットペーパーなどに再利用できるというようなことで、既にそういう換算もされています。うちの場合はそれ以上になろうかというふうに思っております。なお、細かくは回収の方法で、既に御当局におかれては家庭で牛乳パックを開いて洗って乾かして子供たちに持たせる。それが月一回で決められた日に決められた場所となっているのですけれども、月一回となると──きのう原稿を読み直して考えておりますと、自分のところの子供も、牛乳パックやっておりますから、そのあたりもう少し弾力性が、月一回というのは御検討を、例えば二回とか……。重たいですから──いろんなのを子供たち持っていきますから、部活のやら、体育があるときとか。そのあたりもちょっと配慮していただければと。小さいことですが思い当たりましたので、申し添えておきます。
次に、時間の関係で急がせていただきます。行政の自治会活動への関与ということでございます。
市町村の地域活動とりわけコミュニティー活動、
町づくり等で行政が密接な関係を維持発展させていかなければならない地域組織に、校区社会福祉協議会、町内自治会などが存在しますが、その中で地域活動の拠点とも言われます町内自治会と行政とのかかわり合いについて疑問を投げかけてみたいと思います。
本市の自治会数は、旧四町を除き、平成四年二月末現在で五百七十八あり、各自治会の運営は町費と交付金であります自治振興補助金、防犯灯補助金、それに若干のその他の収入があり、これをもって町内自治振興のための各種事業、それに伴う事務費、維持管理費が賄われております。町内自治会も、一千六百五十世帯のマンモス自治会から五十世帯足らずのところまで、その規模も内容もさまざまであります。都市化の進展により近所づき合いも希薄になった今日、自治会活動はいろんな問題を抱えております。無関心な住民、幹部役員の高齢化、役員の私物化、行政の理解、手だて不足、新旧住民によるトラブルなど、数えれば切りがありません。
自治会活動の先頭に立つのが自治会長、社会経験豊富な第二の人生を歩む高齢者六十歳以上の方が全体の八割四分を占め、しかも男性が九割七分、女性自治会長はわずか二十二名でございます。町内役員のなり手がない昨今、自治会では抽選、順番制、泣き落とし作戦等で後継者難を切り抜けているのが実情でございます。
ボランティアの自治会長がお世話する多くの業務の中、会長の約九割が引き受けているものに文書委託業務があります。平成三年の実績を見ますと、市政だよりを初め年金のチラシ、清掃カレンダー等、全世帯に配布する文書が約十一種、緑の羽根募金、がん検診等の全世帯を対象とする回覧文書が約十一種、地区防犯協会、地区交通安全協会、日赤等の各種団体からの文書配布依頼が約二十三種類にも及んでおります。市と委託契約を結んだ配布者の多くは、隣保組長、班長等の組織を通じ各世帯に文書を配布しているのが実態であります。本市の場合、一カ月一世帯当たり四十円が文書配布者の口座へ振り込まれております。本市の現在の配布世帯数は約十九万八千世帯、年間の委託料は約九千四百八十一万円で、配布者一人平均約十六万一千円となっております。ここで九州の三都市の状況を若干紹介いたしたいと思います。
大分市の交通安全市民生活課では、非常勤特別職の自治委員制度があり、同課の承諾文書が同委員のもとに届き、町内の組織を通じ各世帯に配布されております。自治委員は町内の推薦を受けた人であり、町内会長が兼務している場合もあります。自治委員の報酬は、一、五十六円掛け世帯数、二、交通費等の費用弁償として二千七百円掛け三日分、三、事務費として十九円掛け世帯数が四半期ごとに自治委員の個人口座に振り込まれております。平成四年度から、五十六円が六十二円にアップされるそうであります。文書配布者への報酬が三つに分かれているのは、これまでの経緯や個人所得にさせない等の配慮からであります。文書配布者への報酬(委託料)の使途については同課は関知していませんとのことであります。自治会長の研修は二年に一度新人会長の研修があり、六つのブロックで各自主独立の自治会長研修が開催されております。目下同課では主要類似都市の自治会に係る調査を実施中でありました。
長崎市の市民生活課に伺いました。同市では文書配布者を約七百五十七の自治会と約百四十の任意団体にお願いされ、その謝礼として月三十円が支払われ、これも本年四月より五円アップの予定であります。文書配布者には、事故等の傷害を考慮して市独自の地域活動傷害見舞い金が掛けてあります。謝礼金に関しては大分市と同様特に支出後関知していないとのことであります。また自治会長研修は実施されておりませんが、目下一年かけて自治会と行政のあり方の検討がなされておるとのことであります。
次に鹿児島市の市民生活課に尋ねてみました。同市では、配布者を市の特別職員に委嘱する協力員制度を昭和四十四年より実施しており、市政広報文書と住民基本台帳作成に必要な住民実態調査を主な仕事としております。協力員へは一部につき十五円が配布段階表によって支払われ、年平均十万円が役務費という形で出されております。現在、団地等を除けば協力員の高齢化、役務費の低さ等で協力員の永続性が保てない状態が発生しており、民間業者への文書配布も検討中とのことであります。新旧自治会長の研修は年一回開催されているとのことであります。
以上三市の実例を取り上げてみましたが、三者三様創意工夫が見られるとともに課題も少なからず存在しております。本来、自治会組織は親睦団体であり任意加入であり、しかも行政の末端組織でもなければ下請機関でもない自主独立の町内組織であります。最近、本市で一部の文書配布者により委託料が私物化されているとの声を耳にしますが、まじめに働く文書配布者から見れば大変心外なことであり、早急な是正が求められるところであります。本市の自治会加入率は約九割と言われ、鹿児島市の七割五分に比べたら高い方ですが、学生や単身赴任者など未加入世帯には文書が配布されていない自治会もあるやに伺っております。確かに市の規定では、市政だよりは全世帯に配布するのが原則となっておりますが、実態は行政区域と各自治会区域との不一致、行政での校区別世帯数の未把握、自治会の請求に応じた世帯数、さきに述べました町内未加入者への未配布などで全世帯に配布されておりません。現段階では自治会の水増し請求でもチェックの手だてがないのが実態であります。
次に、本市の自治会長研修について少し触れてみたいと思います。過去三カ年の研修プログラムを見ますと、オリエンテーションに始まり、二つの町内自治会長による事例発表と質疑応答、続いて清掃課による清掃問題についての現状話、昼食後熊本城を見学し解散となっております。新人自治会長を対象とした年一回の研修でありますが、いつも研修会でささやかれているのが質疑応答の時間が不足しているということであります。再考の時期に来ていると判断いたします。その他自治会活動に関する課題は、集会所を初め町内掲示板等の施設不足からマンモス自治会の分離独立、公園愛護、老人会、婦人会、子供会等の内部組織の活性化対策など山積しておりますが、その一つ一つの解決が明るくて住みやすい住
環境づくりに結びつくものであります。行政と自治会の役割分担は違いますが、行政の本来担うべき業務を確立し必要な手だてがとられ、自治会活動が維持、発展されることを期待いたしまして若干提案を交えお尋ねをいたしたいと思います。
その第一点は、本市は新
基本計画でもコミュニティー組織(自治会など)の育成並びに地域づくり、環境美化等への助成を掲げられていますが、行政と町内自治会とのかかわり合い、行政として自治会の位置づけないし行政として自治会への協力事項について認識を深めたいと思います。これらに対します御当局の見解をお伺いいたします。
その第二点は、本市の市政だよりを初め広報文書は文書配布事務委託契約書に照らしても全世帯配布が原則でありますが、先ほども触れましたように未配布世帯も現存しております。町内に未加入の世帯にも配布されるよう配布者と意見交換を持つなり、配布者への指導、監督もある程度必要な気がいたします。委託制度についての当局の御見解をお願いいたします。
〔議長退席、副議長着席〕
その第三点は、現在文書受託者及びその代行者が契約履行中に事故に遭遇した場合普通傷害保険が適用されます。ちなみに年間保険料は十万五千円であります。長崎市の地域活動等傷害見舞金支給要綱では、文書受託者に限定せず広く自治会が行う活動、例えば環境の整備、交通安全の保持、防災、防犯等の地域活動に対しても、傷害を受けた場合傷害見舞い金が支給されております。本市の傷害保険も特定の人に限定せず、多く地域活動に携る人に適用すべきだと思いますが、御見解をお伺いいたします。
最後に、自治会長研修のあり方であります。カリキュラムの検討も含め、質疑応答の時間をふやしたり、新人自治会長に限らず最低年一回は自治連合会長研修並びに現役自治会長研修を開催してはいかがなものでしょうか。以上、簡潔な御答弁をお願いいたします。
〔
市民局長 坂西奏一君 登壇〕
◎
市民局長(坂西奏一君) 自治会制度等四点についてのお尋ねでございます。
まず第一点の自治会制度についてでございますが、我が国の町内会制度のルーツは、御案内のとおり西暦六四五年の大化の改新までさかのぼりまして、防犯防火、相互救済を主としてつくられました五保の制度に始まると言われております。その後豊臣、徳川時代を経て、明治維新により住民の自主性から自然発生的に全国各地で組織され、住民相互の親睦、防火防災活動が行われてまいったのでございます。このように町内会制度は住民の自治組織であり、歴史と伝統を有しながら市町村行政との深いかかわりを持って今日に至っているのでございます。
現代の地域社会におきましては、住民が相互扶助的に処理すべき問題と専門の行政サービスが行うべき問題とが一体となって存在をいたしております。これらの問題については住民相互あるいは住民のコミュニティー活動と行政サービスとがそれぞれの役割を分担し合って協力していく中から本当のコミュニティー活動づくりが進んでいくと、このように言われているのでございます。コミュニティー組織、自治会の育成並びに地域づくりはこの趣旨を踏まえて新熊本構想に基づく
基本計画を策定したのでございます。
第二点の文書配布制度につきましては、情報化社会の今日、広報紙を初めとする委託文書の果たす役割は、住民への行政情報の正確な伝達にとって欠くことのできない極めて重要な役割を担っております。委託文書につきましては、ただいまお触れになりましたように、本市と文書配布者との文書配布事務委託契約に基づき町内に居住する全世帯に配布することとなっておりますが、この配布方法につきましてはほとんどが自治会組織を通じて行われております。このため自治会未加入者への未配布の自治会もあると聞き及んでおります。行政といたしましては自治会への加入を促しますとともに、自治会未加入者への文書配布についても文書配布者と十分御相談を申し上げてまいりたいとこのように考えております。
次に第三点の自治会活動に対する傷害保険制度につきましては、御案内のとおり本市では文書配布中の事故に限定した保険の適用を行っております。議員御指摘の地域活動を含めた保険対象範囲の拡大並びに見舞い金制度につきましては、今後他都市の状況等も調査し研究をしてまいりたいとこのように思います。
最後に第四点の自治会研修につきましては、新任自治会長を含め研修の内容あるいは方法等について今後十分検討してまいりたいとこのように思います。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) 自治会研修の方では、伝統と歴史のある自治会組織ということですから、先ほどのような御講演を坂西
市民局長から冒頭に御説明いただくと、私も大分、三年前の自治会長になりたてのときは勉強されたと思います。
なお、今るるお話が自治会組織についてございましたけれども、今の委託文書受託者の方は御案内のように保険を掛けられておりますけれども、防犯やら交通やら携わっておられる方がボランティアというのもあります。特に防犯灯なんか、自分でもやってみたんですけれども、一人で──怖いですもんね。特に雨の日なんか、落ちた場合はですね。そういう傷害の場合もありますもんですから、ぜひ広く薄く多くの方に掛けていただきたい。そういう面で長崎の事例を出させていただいたわけでございます。割に合わんという熊本弁じゃありませんが、そういうふうなことにならないようにやっていただきたいと思います。
さらに──要望といたしておきましょう。ここで御回答を求めるといけませんが、先ほどあえて大分と長崎市の委託料を、それに類する言葉でしたけれども、ほとんどがやはり見直しの時期に来ております。あえて金額でアップを、四月からというふうに申し上げましたけれども……。ちなみに本市の文書配布料、委託料は昭和五十六年──十一年目に差しかかっております。それと自治振興補助金なるもの、これは御案内のように世帯別で、二百世帯が五万五千円、二百一から四百世帯が六万円、四百一から八百世帯が六万五千円、八百一世帯以上が七万というような、これまた五十八年からでございますから九年たっております。ということでぜひ、当初予算はもう間に合いませんから補正で実現できるよう強く要望いたしておきます。
それからもう一点。うちに教育民生委員、一人おりますけれども、済みません、今この席で。うちの鈴木議員からと思いましたんですが──実は御案内の町内の自治会予算書というのが毎年自治会長に送ってきます。収入と支出を出してこられます。この中の会費、市交付金とありますけれども、市の交付金、片や説明欄には自治振興補助金、防犯灯補助金となっております。実は整合性という意味で、間違いというとおかしいですけれども、地方自治法の二百三十二条の二、短いですから読んでみます。「普通
地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」となっております。交付金ではないんですね、これはよその自治体の地域振興課にも聞きました。熊本市さん、ちょっとそれはなじまない、整合性がと。もっとも、おっしゃるとおりですということですから、間に合う時期から御訂正方をお願いいたしたいというふうに思っております。
次に第四番の市民病院の充実ということでお尋ねをいたしたいというふうに思います。
人生八十年と世界最長寿国となった日本の現在、市民一人一人の健康に対する意識は年々高まる中、自分の健康は自分でつくり守るという自覚と責任のもとに、ライフステージに応じた生涯にわたる健康づくりが必要視されてきました。人間の心身の健康をむしばむ病を撲滅させるため、高度かつ専門的な医療体制(治療医学)の整備と、疾病の予防(予防医学)が重要なことは今さら論ずるに及ばないところであります。本市も新
基本計画の中で、生涯にわたる健康づくりとして、健康づくりと保健医療それにスポーツ・レクリエーションの両面に施策の展開を図ることを明示しております。前者の健康づくりと保健医療は、一、心身の健康づくり活動の推進、二、保健予防体制の充実、三、医療体制の充実の三分野から構成されております。本日は三の医療体制の充実、とりわけ自治体病院であります熊本市民病院にスポットを当て提案を交え疑問を投げかけてみたいと思います。
最初に、昭和六十二年から平成二年に至る経営状況を九州各都市の自治体病院も交えて眺めますと、一日の平均入院患者数と外来患者数には余り変化が見られないものの、平成二年度のみは前年に比べ入院患者数で約四千人、外来患者数で約七千人が減少しております。総収益から総費用を差し引いた純利益では、
平成元年度約三億八百万円の黒字が平成二年度に約一億六千八百万円の赤字に転落し、このまま推移すれば三年度決算は約二億九千百万円の赤字が見込まれております。総費用に占める医業費用のアップ、主なものとして人件費増が大きな原因であります。長崎市、北九州市、水俣市のいずれの自治体病院も本市同様赤字でありますが、九州の自治体病院では医療設備ナンバーワンを誇る鹿児島市民病院は黒字経営を維持しているのも事実であります。
次に、本市の市民病院、病床数五百八十床、入院患者の市内と市外の割合は約六対四と言われ、市外が多いと言われた以前の批判は遠のきつつあります。確かに、生命を預かる医療機関が行政区域で患者を区別するようなことがあってはなりません。しからば熊本県の基幹病院と言われる市民病院、そこに対する県からの補助金も
平成元年度以降は微増であります。疑問に思うのは私一人だけでありましょうか。
次に医療器具備品を見ますと、元年度約三億円、二年度約五億一千八百万円、三年度約四億五千万円、そして本年度は体外衝撃波結石破砕装置、画像読取装置──レーザーイメージャー等購入経費として約四億六千万円が計上されており、高度医療、特殊医療に対するハード面の受け皿が着実に進んでいることがうかがえるところであります。
御案内のように企業会計は本来自主独立採算制をモットーにしておりますが、現下の厳しい医療環境では
一般会計に甘えている自治体病院が多く、本市の病院もその中の一つであります。
平成元年度の
一般会計からの繰り入れは約四億一千九百万円、二年度約四億二千二百万円、三年度約四億四千百万円、そして本年度は芳野診療所が市民病院の附属診療所という位置づけになるためこれに関連した一千八百万円を含めて約四億八千九百万円が市民病院へ繰り入れされております。最低必要な
一般会計からの予算措置が必要なことは理解しているわけですが、さらなる経営努力を高められ本来の医業収益が高まる戦略戦術を期待するものであります。予算不足を理由に新規入院患者を見合わせるとか、優秀な医師、検査技師、薬剤師、看護婦等の計画的な採用を控えたり、高価薬を代替品で済ますようなことがあってはなりません。市民病院がさらに充実、発展するためには、先ほど触れましたこと以外に、さまざまのハード、ソフトの施策が時代のニーズに応じ計画的に展開されなければなりません。市民病院が二十一世紀において名実ともに公的病院の中核となりその使命を十分発揮されることを期待して、若干お尋ねいたしたいと思います。
その第一点は、本年二月に開催の熊本市医療問題懇談会でも議題に取り上げられていますように、公的病院の移転問題等で同じ地区に集中する傾向にあり、高次医療も含め地域医療の観点から疑問視する声が上がっておりますが、医師会病院や他の公的医療機関の中における市民病院の位置づけないし機能、または役割について簡潔にお答えください。
その第二点は、救急医療体制の拡充であります。休日夜間急患センターの増設が叫ばれていますが、何カ所、どこに、いつまで設置されるお考えですか。また現在二次救急医療まで不十分ながら実施されておりますが、第三次救急医療の推進はいつからの予定でありますか。
その第三点は、第二点と関連しますが、昭和五十九年の北病棟の完成の際、集中治療室でありますICUの敷地はその骨格だけ現在の二階の手術室の北側に確保してあるやに聞き及んでおります。ICUを確保するとなれば約二十名のスタッフ、高度医療機器の導入等、多額の予算が伴うわけでありますが、生命の尊厳、二十一世紀の医療行政を考えるならば早急に設置することが賢明だと思いますが、いかがなものでしょうか、よろしく御答弁をお願いいたします。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) 市民病院の件に関しまして三点ほどお答えを申し上げます。
まず市民病院の位置づけあるいは機能、役割ということでございます。
熊本市民病院は市立の自治体病院であることを基本に置きまして、市民とともに歩み続ける病院として高度専門医療を軸にした医療水準の向上に貢献することが使命であると考えております。このため熊本の医療を充実していく部門は何か、市民病院がなすべき分野は何かなどを見きわめ、医師会や他の公的病院と連携協力しながら市民の医療ニーズに的確にこたえていくことが必要だと考えております。近年におきましては市民の方々の医療に対する関心が高く、より高度な医療サービスを求めておられます。これに対応するために現在市民病院は二十三の診療科、総病床数五百八十床を有する総合病院として日夜診療に励んでいるところでございますが、特に新生児医療、がん診療、難病対策等の充実に努力しているところでございます。今後は他の公的病院の移転問題等を考慮しながらそれぞれ特徴ある部門の診療を行っていく必要がありますが、市民病院としましてはさきに申し上げました分野につきまして一層の特色を出し、各専門医療相互の連携を密にしながら、総合病院ならではの医療の実施に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
次に休日夜間急患センターの件でございます。
休日夜間急患センターにつきましては、本市におきましては現在地域医療センターに委託をし開設をしているわけでございますが、国の基準によりますと、人口二十万人に一カ所となっているようでございます。したがいまして本市の場合、基準からしますと二カ所の増設が必要であろうと考えるわけでございます。なお、設置につきましては設置の場所の問題、設置の時期の問題、あるいは医療従事者の確保等解決しなければならない問題が多々あると考えられますので、医師会あるいは熊本大学医学部等とも協議をし、また救急患者の状況等も考慮しながら検討を重ねなければならないと考えております。
次に三次救急医療でございますが、国の救急医療体制整備計画の中で都道府県の責務として全県的な視点から整備するものでございまして、県内では現在熊本赤十字病院において開設されております。しかし一つの医療機関ですべての三次救急患者に対応することは不可能であり、熊本市内の公的医療機関では新生児救急医療は市民病院がすべての三次救急医療を担当するなど病院の役割分担と連携が進んでおります。熊本県の保健医療計画によりますと熊本赤十字病院のほか県南の地方に三次救急医療センターを整備するということになっておりますが、本市といたしましては、熊本大学病院を含め二次、三次救急医療機関の連携によりまして救命医療体制の確立に向け関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
それから、市民病院に集中治療室を設置したらという件でございますが、重症患者に対応しますために市民病院に集中治療室を設置しますことは、これからの病院経営に当たりまして極めて意義深いことだと考えております。したがいまして、設置場所、人的体制等を考慮しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) ありがとうございました。市民病院とあわせて申し上げればよかったんですけれども、大事なこと、三点ございますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
第一点は、平成三年度の
決算見込みでは約二億九千万円の純損失になろうかと思いますが、御案内のように本年四月より実質平均二・五%アップの診療改定が行われる予定であります。平成四年度の純損益は幾らぐらい見込まれておりますか。
第二点は、患者サービスの一環であります待ち時間の短縮と駐車場の立体化について、今後の取り組みです。
第三点は、全体の病床数とも深くかかわり合いますが、一泊ドックのベッド数増は難しいものでしょうか。
最後は、いずれにしましても市民病院が本県中央医療圏の中の基幹的総合病院として充実、発展していくためには市医師会との連携強化が必要であります。平素市医師会には本市の保健衛生並びに医療行政で格段の御厚情をいただいているわけでありますが、今後市医師会の市民病院に対する協力関係をどのような方法で深められていくお考えですか、再度お答えをいただきたいと思います。
〔保健衛生局長 後藤勝介君 登壇〕
◎保健衛生局長(後藤勝介君) 市民病院の件に関しまして四点お答えを申し上げます。
まず平成四年度の収支見込みでございます。
現時点ではまだ不確定要素もございますので明確なことは申し上げられませんけれども、先ほど申されましたように平成四年度におきましては実質の二・五%の診療報酬のアップが予定されておるようでございます。このほか人件費の伸び率、あるいは先ほど来申されますように現下の自治体病院の厳しい医療環境を考えますときに大変厳しい状況が予想されるわけでございますが、平成四年度におきましても平成三年度の損失に近い状況になるのではないかと現在は予測をしておるところでございます。
それから、待ち時間の短縮や駐車場の立体化等の問題でございます。
待ち時間の短縮問題につきましては、現在まで、外来予約制及び午後の診療の活用などを図ってまいりますとともに、院内の環境整備を行いまして心理的な待ち時間の短縮等にも努めてまいったところでございますが、本年度におきましては中央採血室を新設して内科外来の混雑緩和と待ち時間の短縮を図っているところでございます。今後も待ち時間の短縮化を図りますために電算導入などを検討してまいりたいと考えておるところでございます。
駐車場につきましては現在市民病院で五カ所三百四台の駐車場を確保しておりますけれども、午前中のピーク時等におきましては絶対数が不足している状況でございます。今後も立体駐車場の建設等も含めまして、既存の施設の有効利用に努めてまいりたいと考えております。
それから、一泊ドックのベッド数の件でございますが、熊本県の地域医療計画におきまして熊本中央医療圏の人口に対します総病床数が算定基準を大きく上回っており、病床数の増加は非常に厳しいものがございます。人間ドックのベッド数の増加を図るためには一般の病床数を減らす必要があります。しかし、市民病院においては現在も多数の入院待ちの患者さんもおられる状況でございますので、病床数を減らすことは困難な状況にあります。したがいまして現在の人間ドックのベッド数においてより一層の有効利用を図ってまいりたいと考えております。
最後に市の医師会との協力関係ということでございますが、現在の医療はますます高度化、多様化しておりまして、病院の機能分担化が進む中で、病院と診療所の連携、病院と病院の連携が望まれておるところでございます。このような状況の中で、市民病院におきましては現在月一回熊本市東部地区の医師会の皆様方と勉強会あるいは周産期検討会を開催しているところでございます。患者の症例検討並びに医師会病院との連携をそういう中で図っているところでございます。特に新生児医療、未熟児医療の分野におきましては重症患者の受け入れ等連携を密にしているところでもございます。今後もより一層医師会との連携を図ってまいりたいと考えております。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) 市民病院の充実により一層の御努力をお願いいたしたいわけですが、時間の関係で後ほど要望とそれから給食費ということで進めさせていただきますが、少し口早になりますからよくポイントをつかんでいただければ幸いかと思います。
市民病院に対する要望としては、市民病院の立体駐車場建設につきましては、敷地が狭かったり、借地でしかも用途地域等の問題で難しい面もあろうかと思います。参考までに、東京で開催されたパーキング・ジャパン’92の専門見本市の二例を紹介いたしたいと思います。一例は長崎市のメーカーが開発したダイヤカーポートR。パーキングタワーで使われる垂直循環方式を小型化したもので、二台分のスペースで七台収容可能であります。しかも高さが八メートル以下で建築基準法の対象外となるため、建ぺい率には関係ありません。二例目が甲府市のメーカーが開発したカータンス・ジャパン。車をタンスにしまうように収納する装置であり、車台がフォークリフトの原理で持ち上がり、横に引き込まれる仕組みで、一台分のスペースで四台駐車できます。昨年七月の車庫法改正に伴う駐車場不足を予期しての新駐車システムの登場であります。市民病院の駐車場に限らず、目下、不足している市営住宅の駐車場でも検討したらいかがなものでしょうか、要望いたしたいと思います。
要望をもう一点。それは、熊本市医療問題懇談会の議題にも上がりました医療機関における週休二日制の導入問題であります。御案内のように国立、熊大の両院では現在週休二日制を試行中でありますが、市民病院としては土曜閉院とせず市民のための自治体病院の使命を貫いてほしいと思うものであります。しかしながら、病院で働く人たちの時短は、世の中に逆行しないよう当局としては十分配慮していただく必要があろうかと思います。このことを申し上げたいというふうに思っておりますし、さらには今民間病院等では治療の一環といたしまして、心理的なケアということで童話、音楽、あるいは絵画などの多彩な催しがされていますが、このあたりも御検討いただければ幸いかと思います。
最後に給食費についてでございます。
本市の学校給食は昭和二十二年にミルク給食として二十六校で開始され、二十六年より六校で完全給食が開始されております。平成三年二月一日の平成の大合併により現在小学校七十八校、中学校三十三校、児童・生徒数合計七万三千九百九十名に対し年間百八十五回を基準とする完全給食を実施しております。昭和五十五年より委託炊飯による導入をし、現在週二回、旧飽託四町では週三回の米飯が組み込まれているのは御案内のとおりであります。しかも関係各課において、児童・生徒の健康な心身の育成を目指した学校給食の充実に日夜努められていることに対し敬意を表するところであります。本日は三月の予算を審議する議会ということで、学校給食費の予算計上ということにスポットを当て疑問を投げかけてみたいと思います。
学校給食は学校給食法第四条によりますと、「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない。」と努力義務を規定しておりますので、小中学校で学校給食を実施してもしなくてもよいことになっております。しかし現状ではほとんどの小中学校で学校給食は実施されております。学校給食の実施に伴う必要経費は設置者及び児童または生徒の保護者が、それぞれの負担区分に基づいて負担することになっております。このことは学校給食法第六条に明記されており、しかも学校給食法施行令第二条では、職員に要する給与その他の人件費、それに施設及び設備の修繕費が規定されており、それ以外の学校給食費は保護者の負担ということになります。条文から保護者が負担する費用として考えられるものは給食の材料費のランニングコストということになります。
このように費用負担の区分について学校給食法に規定されておりますが、運営の方法については何ら定めがありません。市町村が設置、運営している場合、市町村が設置、PTAに委託している場合、PTAが設置、運営している場合、いろいろあります。しかし、ほとんどの市町村は市町村が設置、運営しております。本市もその中に入ります。学校給食費の納入方法は担任の先生が集めたり、金融機関に振り込んだり、PTAを経由したり、各市町村、学校によって、それぞれ異なっております。ちなみに本市の場合、九種類の徴収形態があります。いずれも徴収方法が違っているだけで、徴収過程に入る先生、金融機関、PTA等は設置者たる市町村の手助けをしているにすぎません。いわゆる市町村が給食運営費として児童・生徒の保護者から徴収しているのであります。したがって、それは市町村の収入という性格を持っていると思います。
予算について、地方自治法第二百十条には「一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。」と規定しております。すなわち総計予算主義の原則をうたっているのであります。したがいまして、設置者たる市町村が運営している学校給食の保護者負担であります給食費については予算に計上すべきではないかという問題意識を抱くものであります。
そこで、学校給食費に関連します疑問を順次投げかけてみたいと思います。
最初に、条文に照らしてみても明らかなように、小中学校の学校給食における運営費で、保護者が負担している学校給食費は、その性格上公費だと思いますが、御見解をお伺いいたします。
次に素朴な質問ですが、もし児童・生徒が持参した給食費が紛失した場合の責任はだれが負うことになりますか。
第三点に、給食費は小学校では三千二百円から三千三百円、中学校では月四千円前後でありますが、
平成元年、二年度の要保護者を除く小中学校の給食費未納率は、元年が〇・一三%、二年度も〇・一三%で横ばいの状態であります。例年同一校による未納が後を絶っておりません。児童の保護者が給食費を納められなかった場合の手だて、
収納率アップはだれの責任のもと、どのようになされておりますか。
さらに、要保護者の給食費は本市が補助しているわけですが、本来全額納入されるべきものが一部納入されておりません。手続上、改善の余地があると思いますが、いかがなものでしょうか。また、いずれも給食費の未納分(損失)に対する対応はどのようになっておりますか、その実態を明らかにしてください。
最後に、学校給食費の納入に当たり約三十一校が指定金融機関であります銀行経由でありますが、今後は郵便局をも納入先に加えることはできませんか。
さらに、給食費の収支報告はどのようなルートで保護者の目に触れておりますか。
以上に関して納得いく御説明をお願いいたします。
〔教育長 谷口弘毅君 登壇〕
◎教育長(谷口弘毅君) 学校給食についてのお尋ねでございます。
学校給食の経費につきましては、議員御指摘のように学校給食法の第六条で、学校給食の運営に必要な施設設備費や人件費等は学校の設置者の負担とし、それ以外の経費は学校給食費として保護者が負担するということで、その経費の負担区分を明らかにしておるところでございます。この学校給食費につきましては、学校の給食用食材料の購入に必要な費用というようなことで保護者に負担をお願いしているところのものでございます。したがいまして、学校給食費の会計が年度末に残金を生じました場合は保護者の承諾を得て次年度に繰り越すか、または調整ということで返還を行っておるところでございます。
そこで、議員お尋ねの学校給食費の性格についてでございますが、このことにつきましては市町村の学校給食の運営の形態によって、国、県等の関係機関でも、あるいは行政実例等でもそれぞれ考え方が分かれているところでございます。したがいまして、今後他都市の状況などもよく調査いたしまして検討をさせていただきたいと存ずるところでございます。
それから学校給食費の管理でございますが、学校長の責任のもとで収納、保管、支出などの事務を処理しているところでございます。
三番目に、学校給食費の未納についてでございますが、この未納の解消につきましては、学校といたしましても随時保護者と連絡をとりながらその解消に努めておるところでございます。しかしながら一部の未納があるのも事実でございます。したがいまして、今後とも学校給食会計の適正な運営の上からも、その未納の解消策につきまして学校ともよくその対策につき協議いたしまして、徴収率のさらなるアップに努めていかなければならないと考えておるところでございます。
中でも、給食費の納入が経済的に困難な家庭につきましては、就学援助制度の中で学校給食費の扶助もございますので、その制度の周知もさらに図っていきたいと思っておるところでございます。また要保護家庭における未納につきましては、さらに関係課と密接な連絡をとりながらその解消に努めてまいる所存でございます。
次に、学校給食費の納入方法に関してでございますが、学校給食費の納入につきましては、学校と保護者の間で十分協議して決めてもらうというようなことになっておるところでございます。今後ともできるだけ納入しやすいように、保護者の利便性も考えまして、郵便局や金融機関による振り込みの方法等も含めまして検討してまいりたいと思っております。
最後に、学校給食会計の収支の報告でございますが、PTAの運営委員会に諮った上でPTAの総会で報告するケースと、それから年度末の学校給食費の調整をする時点で各保護者に報告をするケースがございます。今後とも保護者に十分周知が図られるよう指導してまいりたいと思っておるところでございます。
〔四十番
本田光夫君 登壇〕
◆四十番(
本田光夫君) いずれにいたしましても、学校給食費を市町村段階、熊本市で言えば市の予算に上げるかどうかは設置者たる市当局あるいは学校によって決めていいようになります。そうなりますと、予算計上したら当然支出もありますから決算ということになってきますけれども、そしたら監査委員さんの監査の対象になってきます。しかしながら、そうでなくて学校で収支をなさっておっても、先ほども触れました要保護及び準用保護児童・生徒援助費補助金というので給食費が負担されておりますから、そういうのがありますから、これは当然国や公費による補助金ですから市町村の監査になります。大変失礼ですけれども、そういう面では現在の給食費の監査体制というのは非常に、どちらかというとまだきちっとした体制になっておりません。これはあえて質問を避けますけれども、どのような規定でだれがどうしているかと言われた場合大変辛いところです。ぴちっとした、PTAを含めるとか、監査胃員さんもやるというような形での監査組織も今後は必要ではなかろうかと思います。いずれにいたしましても、教育委員会の規則において学校給食費の会計事務の処理方法、学校給食費の監査に関する事項をやはりこの際明確にしておくことを強く要望をいたして給食費の質問を終わりたいと思います。
長きにわたりまして、当初予算その他に関しましてるる質問、提案を交えて投げかけてみたところでございます。質問に対しまして田尻市長初め各執行部の積極的な、また前向きな御答弁、さらには
議員各位におかれましても長きにわたり御清聴、あわせて傍聴においでいただきました市民各位に心から御礼申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)